保険の窓口で相談してみる

アメリカンホームのこの保険で、たとえば印歳の女性が1口(保険料2800円)の契約をし、加入10カ月後に病死したとします。広告には「病気・ケガで亡くなられた場合に親族が負担する葬儀費用を最高121・9万円(満60歳・女性・1口の場合)まで保障」とありますから、たいていの人はそのくらいの額がもらえるものと思い込むでしょう。

ところが、現実に支払われる保険金はわずか3万7160円! この保険のパンフの「ご契約のしおり」には実は、「保障開始日から2年間の保険金額は、保険証券に記載の『葬祭費用担保特約部分の月払保険料』に『死亡日の前日までに到来した月払保険料の払込回数』を乗じた金額がお支払いの限度となります」と小さな文字でびっしり書かれているのです。

何を言っているのか、この説明ではきっぱりわかりませんが、ただ3万7160円を超える額はもらえないのは事実なのです。仮に契約者が「保険金が違う!」と文句を言っても、保険会社にしてみればきちんと書いてあるのだから「勝手な思い違いをした契約者が悪い」と言われるだけです。

契約前にちゃんと、こういう「現実」をしっかりチェックしておかないと、「こんなはずではなかった」という事態を招いてしまうのです。もう一つの「肝心なこと」は、この保険は生命保険ではなく、損害保険に分類される傷害保険である点です。現にパンフにも、「長期保障傷害保険」と書かれています。

保険の窓口で保険相談

ということは、この傷害保険はそもそも、病気を心配して加入する医療保険ではないと認識すべおおざっぱきでしょう。生命保険と損害保険の区別がよくわからない人が多いようなので、大雑把に説明しておきましょう。

まず、生命保険は病気、ケガの両方を保障しますが、傷害保険はケガのみで病気入院の保障はないと理解してください。損保会社はこれまで傷害保険しか販売できませんでしたが、今では生命保険も扱えるようになったのです。そこで従来の傷害保険と新しい生命保険の両方の商品が混在して売られています。

ところが、傷害保険をあたかも医療保険であるかのように宣伝しているケlスもあり、実際、病気入院で入院給付金が出ないのはおかしいというトラブルも起きているのです。

「人生まだまだ日これからだ」というような保険らしくない名称を付けたのも、この保険が傷害保険であることをあいまいにする魂胆があるからではないかと、勘繰りたくもなります。また、CMで宣伝しているアリコのボーナス付きの医療保険「かしこく積立入院保険」は、ボーナス100万円と入院保険の二つを両立できるというのがウリ。

しかし、おかしなことに誰もボーナス分の保険を知らされていませんから、お得かどうかわかりません。実はこの保険のボーナス分の保険料は、月8090円(男性・却歳)。そうすると叩年間で貯万800円支払って、利子が2万9200円ということになります。

医療保険は中身を理解し、入念にチェックして、自分に合ったものに加入しなければ、こういう検証をしなければ判断できないのです。それこそ大切な冶金をドブに捨てるようなもの。保険は非常に大きな買い物ですから、他のどんな商品よりも慎重に内容を検討したいところです。

掛け捨て時代の保険

日産生命や東邦生命が破綻してからの消費者の生命保険会社への冷たさには、ものすごいものがあります。確かにこの不景気に、一生懸命節約して支払ってきた生命保険の保険料。これは、イザという時には何とか保険が助けてくれるだろう、と思っていたからです。

しかし、そういった信頼は大きく崩れてしまいました。そこで、大量の保険解約という自体になっているのですが、もしこの本を読まれている読者の方の中に保険の解約や見直しを考えられている方がいらっしゃったら、これだけは言っておきたいと思います。

むやみな保険解約はかえって損になることも多いものです。じっくりと考えられてからの決断であればまだしも、単に保険解約ブームに流されてということだけは避けて頂きたいと思います。それから、保険は掛け捨てにしなさい! などという安易な物言いにつられると、今まで長年積み上げてきた財産がひとつの契約変更によって泡のように消え去ることもあります。これこそ、生命保険会社の思うつぼです。

保険は万が一の時に残された家族の生活を最低限手助けしたり、大病で入院した時に思ケ存分治療に専念出来るという様に、誰もがぜひとも必要な役割のあるものなのです。一時の感情に流されて、保険の持っている本来の大切な役割まで否定して、簡単に捨ててしまうことの無いようにお願いしたいと思います。

私は今回の保険解約ブームの背景は生命保険会社の破綻だけが引き起こしたものではないと思っています。一番大きな理由は、生命保険会社の破綻以降、テレビ、ラジオ、雑誌などで生命保険の商品説明( とくに定期付き終身保険) などが大きく取り上げられるようになり、多くの方が生命保険というものの商品をより深く理解するようになったからではないかと思っているのです。

生命保険のセールスレディの方の勧誘で何となく加入したときの大きな理由は、保険商品を購入するというだけでなく、「自分は預貯金をしている」といラ意識が高かったからのはずです。つまり、保険を買うというよりお金を預けているだけということです。ですから、自分の預けたお金が全て利息がついて戻ってくるんだと考えていたわけです。

ところが、少し勉強してみると、定期付き終身保険のように多くをしめる定期特約の部分は掛け捨てだし、保険に加入するときに書いてあった保険の設計書にあった配当金は約束されたものでもない。じつは毎月払っていた保険金の半分は掛け捨て保険分に対してであって、万が一のことが無い限り戻ってこないことがわかったわけです。

ただ、これからの生命保険は掛け捨て保険を中心に考えていくことが大切だということも事実です。読者の方は、佐藤さんという人は掛け捨て保険がいいと言ったり、貯蓄型保険もいい場合があると言ったり、よくわからないと思われる方もおられると思います。